働くことで健康になる
働くことで
健康になる
Active Sleep代表:菅原洋平 私は、病院に勤務していたときに、患者さんが速やかに退院できるように、過去の記録を分析する業務をしていました。
すると、睡眠薬が処方されている患者さんの入院が長引く傾向があることが分かりました。
そこから、睡眠が病気や手術後からの回復のカギを握っていると考え、治療の効率を高めるには睡眠改善が必要だと考えました。
一方で、事故や病気になった方の脳の治療をし、元の職場に戻るためのサポートも行っていましたが、社会の要求に応じられるようになるまで回復することは難しいことを痛感していました。
患者さんたちは、ビジネスパーソンとして優秀な方が多く、優秀であるがゆえに、無理をして深刻な病気に至ったという経緯がありました。 その方々の役に立つためには、病院で待ち受けているのではなく、企業でセルフマネジメントの技術を習得してもらう必要があると考えました。
「睡眠が脳の回復に重要である」
「脳の回復には活躍しているときにセルフマネジメントを習得することが必要である」
この2つの考えに至り、企業を対象に睡眠マネジメントを研修して、働く人のパフォーマンスを向上し、将来の病気や事故のリスクを下げることを目指し、2012年にユークロニア株式会社を設立しました。
病気になってから自分の脳や体に向き合うのではなく、やりたいことに力を発揮するために脳と体を知る。豊かな人生を歩むために医学を活用することで、日々成長し、結果的に病気を防ぐことができる。
私たちは、働くことで健康になる社会づくりを目指しています。
健康な心と体は、社会とのつながりでつくられます。
私たちの心と体のコンディションを担う自律神経は、3つの階層になっています。
ベースを支えるのは、生命維持を優先する背側迷走神経系。
その上に位置するのが、危機的な状況を乗り切るために、一時的に高いパフォーマンスを発揮する交感神経系。
そして、この交感神経系の働きを調整するのが、最上位に位置する腹側迷走神経系です。
腹側迷走神経系は、社会とのつながりやその中での自分の位置づけ、社会に対する自分の働きかけや社会から得られることであるソーシャリゼーションが体感できているときに働き、私たちの心と体のパフォーマンスを高めています。
働くことを通して他人から必要とされたり、同じ目標を持つ他者に共感することは、私たち自身の健康をつくる上で不可欠な要素なのです。
働くことの意味や健康の定義は、人それぞれですが、企業という集団になると、目指す方向が一致します。
安全に確実な業務をこなし、高いパフォーマンスを発揮するために、脳と体の仕組みとその活用方法を知る。
これを企業内で実施できれば、企業は従業員の高いパフォーマンスを得ることができます。
一方で、従業員も、たとえ退職したとしても、その企業に在籍していたことで、自分の脳と体の仕組みを知ることができ、それはその後の活動に良い効果をもたらします。
睡眠や脳について学ぶことは、企業と従業員の良好な関係づくりにも貢献します。
最近の調査では、仕事が充実していると感じている人ほど、睡眠も充実していることが明らかになっています。
睡眠が整うと、昼間の集中力は高まり、余計なストレスを感じなくなります。仕事の生産性と睡眠の充実は、密接に関係しているのです。
課題への取り組み方は人それぞれなので、1つの方法ですべての人の生産性の向上を図ることは難しいです。
それに対して、睡眠は誰でも毎日必ず行う作業なので、睡眠を整えることはすべての人の生産性の向上を図る最も簡単に大きな効果をもたらします。